CTOである私の中小企業に就職→大企業に転職→大学に転職→ベンチャーに転職→創業のエピソードを元に「理想の企業」について考えていることを就活生へメッセージを送りたいと思います。
①ヒューテック・オリジン(中小企業)に新卒として入社
ヒューテック・オリジンは、四国の香川にある会社で、従業員が20人ぐらいで10億ぐらいの売り上げの中小企業です。あまり知られていない企業ですが、売上100億、利益率40%を誇る世界シェア1位の紙やフィルムの画像検査装置メーカー(ヒューテック)を生み出した大元の会社です。そこに入社した決め手は、入社1日目から研修なしで、新製品開発を任してもらえるということと、ヒューテックからの出向者も多くおり、世界1位の画像検査技術が幅広く学べる環境だったからです。大企業の年功序列的な考えや職域の狭い仕事は自分に合わないと考えており、ヒューテック・オリジンは知らない会社でしたが、「ブランド」ではなく、「成長環境」を重視して入社しました。結果は、今の原点となる技術ベースを習得し、ラボレベルのデータから現場レベルのデータまで、色んな知識の習得ができました。
②日本電産(大企業)に転職
ヒューテック・オリジンは成長環境としては良かったのですが、お客様から高いレベルの相談があった時に相談相手(優秀な人材)がいないという問題が入社3年目に訪れました。3年間、土日も休まず勉強し続けていたことにより、全社員の知識・技術レベルを超えてしまい、自分一人で課題を抱え込む日々が続きました。また、結婚も考えており、「給料が低い」というのも転職理由の一つでした。大企業にはマイナスのイメージを持っていた私ですが、スピード感が速く、1000人規模のAI・メカトロ・機械・材料・電気・画像処理人材を募集するという求人を見て、日本電産に転職を決めました。色んな「人材」がいる組織なら、自分以外の知識を持った人が集まりやすく、今まで出来なかった課題を解決できるのではと思っていました。実際入ってみると、想定通り多様な「人材」が多くおり、出来なかったことを実現して、「給料も高い」と二つ悩み事は解決しました。しかし、画像検査の人材が少ないがゆえに簡単な仕事が多く集まってしまい、入社3年目には「成長環境」がなくなり、やりがいが感じられない日々が続きました。
③福井大学(大学)に転職
日本電産の生産技術研究所は優秀な社員が多く、刺激が多かったのですが、画像検査に関するスキルアップができる「成長環境」ではなくなったということで、恩師のいる福井大学で研究員として働くことで、将来に向けてハイエンドのお客さんにも対応できるように学び直しにいきました。実際、早稲田、JAXA、大手企業からの仕事を担当し、ハイエンドのお客さんも納得させられるようなスキルを習得しました。この経験により31歳で1000万円以上の年収のオファーが来るようになったのですが、大企業の成長環境のなさ、中小企業の給料の低さ、中小企業の優秀な人材の少なさなどサラリーマンとして生きる辛さを感じるようになっていました。
④画像検査ベンチャーに転職
起業を意識して、画像検査ベンチャーに転職しました。ここも世界シェア1位の技術を持っている会社でしたが、ヒューテック・オリジンの時のように私がトップの技術力でした。ここで答えがでました。世界シェア1位の画像検査装置メーカー2社でトップの技術力を持っており、大企業でもトップの技術力でした。自分で起業をすれば、「権限」、「成長環境」、「人材」、「給料」、「働き方」の問題は解決できるので、お金を稼ぎつつ、他社よりも卓越した技術で画像検査・計測分野において一流企業相手に成長しながら仕事が出来るのではと考えるようになりました。
⑤創業と就活生へのメッセージ
結婚していて妻子もおり、家も建てていたので、画像検査ベンチャーで働いた後に夜の19時から深夜2時ぐらいまでの時間を利用して創業準備をしていました。2年の歳月を経て受注できる体制を整え、今年の5月に創業しました。仕事は順調に増えており、引き合いだけでなく、大手企業の研究所の受注も増加しております。また、創業準備期のガレージからオフィスに移転し、開発メンバーも3人に増えました。今の浅原技研には、開発に必要な工具、機材、設備、優秀な人材が揃っており、大企業と中小企業に属した時の悩みを解決する工夫をしております。大企業の良さ(給料が高い、優秀な人材が多い)と中小企業の良さ(権限がある、成長機会が多い、いい意味でゆるい)を持った新しい企業の形を実現しようとしています。どこの企業よりも満足感が得られる、そんなバランスの取れた会社をともに創りあげ、新しい働き方をしてみませんか。私が今の就活生で浅原技研を知っていたら、間違いなく浅原技研を選択します。自己の成長はもちろんのこと、会社の成長も感じられます。また、大企業の研究所のお客様の支援をすることで、日本を支えている重要な企業であることも感じ取れると思います。「ここでしか出来ない成長体験」を一緒にしてみませんか。
ガレージ(2021.4)から現在(2023.8)