画像検査・計測技術支援の浅原技研

14度目の新規事業立ち上げ


大学生の時、ヒューテック・オリジンの時、日本電産の時、そして浅原技研と計14度の新規事業立ち上げを経験してきました。新規事業の難しさと苦労を紹介したいと思います。

1.大学生の時

大学生の時に初めて新規事業立ち上げを経験しました。たまたま行った研究室の教授のグループが大学発ベンチャー企業を立ち上げるということで、サンプリングモアレカメラという橋やビルなどの大型構造物の健全度評価ができる画像計測装置の研究・開発に携わりました。私が担当したときはラボレベルでの検証結果しかなく、屋外で大雨の中や深夜の実験、実際の橋での検証実験などを積み重ねていき、装置やソフトウェアなどのシステムを改善して、2年半の月日を経て製品化を実現しました。最初は、鉄道会社などの5社程度しか売れませんでしたが、今では共和電業さんというメーカーさんで販売されており、広く社会で使われています。最先端技術で橋やビルの安全性を守り、社会に広く貢献したいという使命感が実用化に繋がった初めての経験でした。

2.ヒューテック・オリジンの時

ヒューテック・オリジンでは、新入社員として入った1日目から新規事業立ち上げを担当しました。通常の企業は研修などあると思いますが、中小企業でしたので特に研修はなく、研究が出来る人材がいなかったので、私が担当しました。ここでは、ワッシャーの全自動厚み・反り検査装置、ブレーキディスクの全自動厚み・反り検査装置、バックドアの全自動形状検査装置、燃料電池のセパレータの全自動形状検査装置、床材の全自動形状検査装置、鋼板の全自動形状検査装置、鋼板の枚数カウンタの7度の新規事業を3年半の間で経験しました。3Dの計算アルゴリズムからプロジェクタなどの光学機器の設計などソフトウェア・ハードウェア両面の研究・開発を一人で担当し、全ての製品を完成させました。しかしながら、最終的に顧客の要望レベルを満たせたのは7製品のうち3製品で、現場で使えるような製品レベルの高さを実感しました。全ての分野で成功できるほど新規事業は簡単ではないというのを経験しました。

3.日本電産の時

日本電産では、鋳造機の全自動温度検査装置とHDDの全自動画像検査装置の2製品の立ち上げを担当しました。温度検査装置では、エリアセンサカメラやラインセンサカメラを使うことが多かったので、サーモグラフィーを使った初めての装置開発でした。初めてなので知らないことばかりで、メーカーさんや商社の方に電話をかけて聞いて情報を集めていき、完成させました。また、HDDの画像検査装置は既製品を使ってチームで新規事業を立ち上げる初めての経験でした。既製品は一から作るより簡単だと思い込んでいましたが、実際に使いこなすのは色んなノウハウが必要だと分かった良い経験でしたし、チームでやる場合も上手くやらなければ一人でやるより早くできないということが分かった経験でもありました。2つの製品は無事に完成し、既製品を上手く使ったり、チームでやることにより新規事業の成功率を高められるというのを実感しました。

4.浅原技研

現在進行中の製品は鏡面部品向けの3D検査装置、複合素材向けの3D検査装置、プレス部品の凹み検査装置、自動車部品のピッキング装置の4製品です。これで計14度の新規事業立ち上げになります。最初は一人でやっていき、結果が出てくると仲間が増えていき、製品化されて世の中に出ていくと、また新しい新規事業の話がでてくるという循環があると思います。私が一人で新規事業を立ち上げ続ける限り関わる仲間の輪や、新しい製品が世の中に広がっていくと思います。新規事業立ち上げは難しく孤独ですが、私の製品で救われる企業があるのならば、関わる企業と共に成長できるようにこれからも挑戦し続けたいと思います。


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